ポケスペSV編第6話を読んで (イチバン24年3月号)

ネタバレ注意!

この記事には執筆時点(24/01/20)での、コミックス通巻版および、先行版未収録の内容を含みます。

 

スカーレットが、ネモがらしくいてくれたら

 

もうひとりの主人公、スカーレット・コイトが本格的に動きはじめる、という今月号の展開!そう来るか〜、さすがポケスペ!という感じでとても面白かった!!

 

今話の登場人物の振る舞いは、各々のいろんな一面が見られた上に、そのどれもが印象的でしたね〜。私は特に、スカーレット・コイトとネモのふたりにどんどん惹かれました。

 

なので(?)、ここからはネモに倣って、彼女のことは「レッティ」と呼ばせてもらいます。

 

レッティについて。追いかけてくるネモを振り切る!そして、心配したカシオペアをも拒絶する!カシオペアは(ゲームの通りならば)自分のことで手一杯だと思いますが、それでもさすがに見かねるほどの様子だったということでしょう。

 

そんな、周りをまったく頼ろうとしないレッティですが、何の因果か、はたまた当然か、挑戦したジムでネモと再会。ネモ、めげないし明るい。ポケモンリーグの人とも朗らかなやりとり。ゲームでの彼女もそうだし、私はネモのこういうところが好きです。

 

ところで、レッティのジム挑戦の相手選択は、いきなり自分の実力を遥かに上回っているであろう相手に挑んでいった王子とは対照的でした。あと、このシーンではネモがどのジムから挑戦したかも分かって面白い。ネモは、物事の段階をきちんと踏んでいきたいタイプなのかな。

 

しかし、ジム戦に臨むレッティの具合の悪そうなこと…きっと周りの人たちの見通しどおりで、空腹だったということなのでしょうが、ある特定のポケモンとばっかり戦ってるわ、目の下にクマができているわで、最初私は彼女は何かに呪われてるのかと思いました。ジム戦の後で明かされた、彼女の目的を聞くとなおさらね…。

 

呪い…だというのは、ちょっと考えすぎかもと思いますし、先月号(第5話)のあやとりのシーンでの会話を見れば、レッティは裕福でない境遇なのでは、という方がさもありなん、だとは思います。

 

思いますが、呪いだというのはあながち大げさに言っているわけでもなくて、先に書いた通り、レッティは全然人に頼ろうとしません。まるで他人は助けにならないと言わんばかりですが、その様子はまるで、人を遠ざけてしまうような呪いがかかっているように、私には見えてしまいました。

 

レッティが何を抱えているのかはまだ分かりません。彼女にとって大事なものならば、なおさら気安く他人に踏み込ませたくないでしょう。けれど、その孤立した彼女が目指す先が、災いの宝って、それホントに大丈夫!?と思うわけで。まあ、孤立しているからこそ、そういった危ないものを目指すという気もするけども。

 

たしかに彼女には、周囲が見立てる通りに、実力も経験も備わっているようですが、それでも一人ではどこかで限界が来るでしょう。ましてやその目的が、災いの宝なんてキケン極まりないものであるならば。

 

そんなレッティの冒険のこれからを想像したときに、そこにはネモがいそうなのが面白そうです。これから二人はどんなやりとりをするのでしょう。う〜ん、楽しみ!

 

…もうちょっと直接的に書けば、私の気持ちはうわー、さすがポケスペ、やりおった…!好き…。って感じです。偉そうなのはごめん。

 

レッティという、実力はありつつも他者を頼らない人*1と、ネモという、エネルギー(=ポケモンバトルが大好き!)に溢れた人を出会わせるなんて!これ、すごくないですか?私は見事にツボを撃ち抜かれました。

 

当然ですがこれはネモがレッティを助けてあげるのでは?という意味ではなくて*2、何が起きるか想像つかない、面白そう!ってことです。だって、誰に対しても明るくて、人当たりのいいネモでも、レッティは一筋縄ではいかなさそうですもん。これはまず相容れない〜というところも出てくるかもしれない(でも、ネモはめげなさそう)。

 

もちろん、一筋縄でいかないのはネモも同じで、それは何かというと、彼女は超ド級ポケモンバトル好き。それもそのバトル好きは、並大抵の好きではありません。例えば今話で言うなら、目の前のジム戦を見て、思わず今すぐに自分が代わりに戦いたいと口にしてしまうほど。

 

ネモがどうしてポケモンバトルがあんなに好きなのか…は楽しいから、でいいと思うけれど、SV編のここまでのセリフ等々も踏まえて考えれば、彼女にとってポケモンバトルとは、遊びに他ならないから、だと思うのです。遊びだから楽しいし、楽しいから工夫する、だから強い、ってことではないでしょうか。

 

私はSV編のテーマの一つには「遊び」があるのでは、と思っていて*3、ネモにとってのポケモンバトルはまさにそれだと思うけれど、「道楽で」バトルをやっていないと、バッサリ言ってのけたレッティとは対照的です。…ね?これだけでこのふたり、もう面白そうでしょう?

 

そろそろ締めます。ここまでレッティは、他者に頼ろうとしないとさんざん書いてきましたが、アカデミーへと手引きした誰かはいるみたいですよね。正体もレッティとの関係も分かりませんが、とても気になるところです。まだまだ謎も多い、遅れてきた主人公のレッティが、どのような「宝探し」をしていくのか、否応無く期待が高まる6話でした!

 

最後に余談。2話の感想↓にも「遊び」って書いてた。王子にもかかるテーマでは。

yomaon.hatenablog.com

 

 

 

 

*1:どちらかというと、頼れない何かがあるのだと思うけれども、私の推測に過ぎませんね

*2:最後には登場人物はハッピーエンドで終わって欲しいけれど

*3:始まってまだ少しという物語のテーマをどうのこうの言うのは無粋ですね…でも、ネモがまさにその言葉を5話で言っているし、お目こぼしいただけたら。