ポケスペSV編第7話を読んで(イチバン24年4月号)

ネタバレ注意!

この記事には執筆時点(24/02/28)での、コミックス通巻版および、先行版未収録の内容を含みます。

 

レッティ、すごい目をする

 

ポケットモンスターSPECIALスカーレット・バイオレット編第7話の感想です。今話では、物語の前半後半でそれぞれにいいなあと思ったことがありました。

 

順番は前後しますが、まずは後半の王子とペパーのヌシポケモン戦について。広いエリアをあっちに行ったりこっちに行ったりするのが、野生の強〜いポケモンとやりあうって感じでとても良かったです。ミライドンが一緒にいなかったら…追っかけるのなんて絶対ムリ!

 

私はゲームで(ほぼ)ライドなしという縛りプレイを一度したのですが、街から街への移動や、スター大作戦ならまだしも、ヌシポケモン戦が本当に困難を極めました。特に、潜鋼のヌシ戦はライドなしだとヌシに追いつくことすらできない…。そんなことを思い出しました。

 

そして、もうひとつの面白かったのは前半部分の、レッティ(スカーレット・コイト)とネモの次の目的地へ向かう前のやりとり。ページ数にしてわずか1ページの、そして軽妙なテンポのシーンですが、私はやたらとここが印象的でしたね〜。

 

バトルをちらつかせたネモを、にらみつけるレッティ。こ、こわい。彼女のこの表情、ご覧になったみなさまはどのように感じられたでしょうか。

 

レッティ、ネモが勝手に着いてくるのはいいけど、それはダメなのね。言葉を使わずとも、視線だけで怒!って感じ。むしろ、言葉ではないから強烈だという。

 

…と、書いていてふと思いましたが、いずれ彼女がベイクジムに挑戦することになったら、件のあのテストが待っているはずで、一体どうなるのでしょう。意外と…というか、あんな表情ができるレッティなら、かえって上手くいきそうな気もします。

 

さて、私はレッティのあの表情を怒!と書きましたが、当事者のネモがどう感じたのかは…ともかく、レッティが拒否してるっぽいのが伝わったのか、ちゃんと退いてくれました。

 

私、これがネモのいいところだと思うんです。ちょっと(かなりかも?)暴走しがちなネモですが、相手の気持ちに鈍感というわけではないですよね。レッティにポケモンリーグへの興味を持ってもらうことを諦めたわけではなさそうだけど、下がるべきだと思ったら下がってくれるという。

 

そんなこのシーンが象徴的だと思うのですが、レッティとネモの現状のなんとな〜くうまくいってるかも、な関係がとっても面白いです。

 

前話の第6話では"わたしにかまうな"という台詞でもって余裕のなさを、今話ではここまで話題にしてきたあの表情でもって不愉快な気持ちを、それぞれに端的に表していたと思うのだけれど、それはネモ同様に、レッティもまた機微に聡いからでしょう。ネモといると、レッティのそういう一面がなぜか出てくる。それはネモにとっても同じで、このふたりが今後どうなっていくのか、そしてついに王子やペパーが…!楽しみです。

 

…ところで実はもうひとり、レッティのそんな機微を引き出した人物が作中に出ていますが、それが誰なのかはぜひ先行版を読んで確認してみましょ。私はとっっってもそのシーンの印象が雑誌掲載の時とは変わりましたね〜。すごかったです、書き足しのところ。

 

↓前話感想はこちら

yomaon.hatenablog.com